短篇
□愛してるなんて嘘
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好き、好き
大好きだよ、キョーヤ。
………なぁんてね、嘘。
本当は嫌い、嫌い
大嫌いだよ、キョーヤ。
漆黒の黒髪も、
漆黒の鋭い双眸も、
獲物を前に歪む唇も、
風に揺れる学ランも、
僕にだけ向ける微笑みも、
皆、皆、大嫌い。
だからね、
早く僕なしじゃ生きれなくなるくらいに
依存して、
執着して、
狂ってしまうほど愛して?
そしたら君の肌を切り裂いて、
その白い肌に紅をぶちまけて、
絶望と苦痛に歪む表情を嘲笑い、
囁いてあげる、
大嫌い―――――ってね……。
愛してるなんて嘘
(だから早く僕に溺れて?)(じゃないとこの衝動が抑えられないよ)