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04 悲観にくれるわけじゃない


なあ、甘寧さんよ。
人が死んだとき、悲しんだらいけないんだってさ。
それより生前を尊んで、無事に眠れますようにって祈る方がずっといいらしい。
なんて高等技術なんだろうって思ったね。

べつに?こんな話題してるからって悲観にくれてるわけじゃない。
俺はあんたを認めてんだっつうの。分かってんの?
そうじゃなくて、そんな人間らしいことが出来なかった俺はどうなんだろうって思っただけさ。
そう出来ることって当然なのか?俺は弱いのか?
・・・そっか。うん、ごめん。
そうだね、けど俺ってどこまで行き着いてもネガティブだからなあ。
どうしようもないのさ、こればっかりは。

うわっ・・・ちょ、ちょっと・・・あったかいけどさ、何してくれちゃってるわけ・・・
どくどく言ってるって?そりゃ生きてるからね。
ひねくれてる?そんなの今更だろ。
それとも俺が「あんたに抱きしめられてるから胸が高鳴るんだ」とでも言ってほしいわけですかい。
・・・ほう、言ってほしいと。

うざいっつーの、もう、放せよ。
そりゃ俺だって嫌な訳じゃないっつうかむしろ・・・いやいや、今のナシ。
え?笑みが悲観じみてるって?
気のせいだっつーの、あんたどこ見て言ってんだよ。
こ、こら、折角放したんだから、また抱きついたら意味ねぇし!
このバ甘寧!


うん、でも

悲観はなるべくしないようにするよ

俺にはそういうつもりなくてもさ、

あんたからそう見えるってんならね


バ甘寧・・・好き。



【悲観にくれるわけじゃない】
そのかわりに愛でも紡いでみようか


→続き 踏み出してしまえ
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