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27 問答無用(P)

「だーーー!!てめぇは一体何回同じ間違いをするんだ!!」
「なんだと?もう一回言ってみろっつの。俺の何が間違ってんのさ」
「そう言って分からねぇだけだろうが!!これは接線だタレ目!!」
「タレ目関係ないし!あ、そっか。これこうかー、なんだ簡単じゃん」

だんだん殺意を覚えてきた。
馬鹿だ馬鹿だと思い続けてきたがまさかこれほどとは思わなかった。
むしろふざけんな。なんで1分前に言った事を忘れられるんだ。
しかも分からねぇくせに態度がデカいのが余計にムカつく。

「おいバ甘寧、次」
「ってめぇ・・・!どうやら俺のスパルタを受けてぇみてぇだな・・・!」
「何怒ってんの?いいから次」

もうだめだ。ここまでくると怒りは呆れに変わる。
つまりどうでもよくなる。あぁ、好きにしやがれ。
この勉強を教えてくれって時は、可愛かったのによ。


『なぁ、甘寧。俺、冬休みあんたとたくさん過ごしたい』
『・・・お前にしちゃ素直だな。俺もそう思ってたぜ?』
『そのために散々バイトして、冬休みは少なめにしてもらった』
『おう、知ってる。ありがとな』
『だけどそのかわりに』
『ん?』
『単位がヤバイ。この前1ついたの5個あるんだよね』
『・・・・・は?』
『だから甘寧。俺に色々教えて?』


うん、確かに可愛かった。
思わずその場でやらかしちまった程可愛かった。
なのに色々期待して来てみればこのザマはなんだ。
結局いい様に使われてるだけじゃねぇかクソが。

「これは?」
「メネラウス」
「あー、あの芸術的なヤツね」

凌統はこういう覚えはやたらといい。
数学やら化学やらを芸術に例えるのは難しいが、ぐんぐん覚える。
・・・あぁ、さっきまでキレかかってたのによ、結局俺ほだかされてんじゃねぇか。

「出来た。どう?」
「おう、合ってる」
「ほんと?さっすが甘寧。あんた教え方いいもんな」

一生懸命頑張る姿と、こういううっかり喜ぶことを言ってくれやがるのが、好きなんだよ。


「んじゃ、これテストな。3問以上間違えたらおしおき」
「はぁ!?なにそれ、無理に決まってるし!!」
「問答無用」


そろそろ俺も、お前に触れたくて限界だしな。


【問答無用】
裏を返せばだいすきのしるし
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