舞-HiME-・舞乙-HiME-
□奈緒の悩み
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少し傾いた日が辺りを茜色に染め こんな時の代名詞の鳥が声を出している。
大手スーパーからの帰り道に、奈緒は大きな袋を提げ、信号待ちの時に考える。
何故、自分がこんなことになったのだろう と。
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「奈緒はん?」
「何よ・・・(このテレビ高いだろうなぁ)」
優雅な昼下がり・・・とかいえないが
自分なりに満足がいく日だな、と思いながら
大画面液晶テレビで大好きな映画を見ながら
ジュースを飲んでいた。
洗濯物を畳んでいる静留は、そっと目を伏せ
奈緒にふる。
(こっち見てるよ・・・。)
「奈緒はん。お買い物行ってくれへん?」
(うげ。めんど。)
すぐさまその近くにあったチャンネルを取り
ジュースを一気に飲む。
気を逸らさせる作戦だ。
「葱六本と・・・・」
返答もしていないのに品物を淡々と述べられていく。
「あと、葱?」
(葱多っっ!!)
ぷいっと顔を逸らす。
ブクブクとジュースで音を立てる。
「めんどくさい・葱多いと思いはったやろ・・・?」
(読まれた!最後の空白怖っ!「・・・」怖っ!)