執事様の書棚

□涙は背中で語れ〜肆〜
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彼氏の事情
〜銀八の場合〜






だーれだ?



――ってオイ。気色悪いってなんだ。気色悪いって!
オメーが、一人寂しそうにしてっから構ってやったんだろうが。

あん?

あー…ハイハイ。分かった分かった。寂しそうだったんじゃなくて、心細かったんだな。

――イッテ!痛ぇって!
優等生が先生叩くんじゃねぇよ!
ハァ…ちったあ手加減しろよ。

で、何やってんの?
誰か待ってんの?
…………オトコ、とか?

ぅえッ!?マジで!誰!





――弟…。

…イっ、イヤ!何でもねぇよ!
あんま遅くなる前に帰れよ。
じゃあな。

――って、何引っ張ってんの?





「――暇なら…ちょっと付き合ってください」





………………うん。分かったから。付き合ってやっから。
だから金輪際、俺以外の奴に其の上目遣いとか袖引っ張るのとか止めるよーに。



理由は訊くな。





〜end〜


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