執事様の書棚
□涙は背中で語れ〜肆〜
2ページ/41ページ
彼氏の事情
〜銀八の場合〜
だーれだ?
――ってオイ。気色悪いってなんだ。気色悪いって!
オメーが、一人寂しそうにしてっから構ってやったんだろうが。
あん?
あー…ハイハイ。分かった分かった。寂しそうだったんじゃなくて、心細かったんだな。
――イッテ!痛ぇって!
優等生が先生叩くんじゃねぇよ!
ハァ…ちったあ手加減しろよ。
で、何やってんの?
誰か待ってんの?
…………オトコ、とか?
ぅえッ!?マジで!誰!
――弟…。
…イっ、イヤ!何でもねぇよ!
あんま遅くなる前に帰れよ。
じゃあな。
――って、何引っ張ってんの?
「――暇なら…ちょっと付き合ってください」
………………うん。分かったから。付き合ってやっから。
だから金輪際、俺以外の奴に其の上目遣いとか袖引っ張るのとか止めるよーに。
理由は訊くな。
〜end〜
.