執事様の書棚

□十字架の許に眠る
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〜いつものおはよう〜




ピピピピピピッ。

「んー…」

――かちっ。

丸まったシーツから伸びた手が、枕元の目覚め時計を止めた。
暫くして、その手はベッドの上を漂い始める。ぱたぱた、ぱたぱた。と。
――が、結局。お目当てのモノには辿り着かなくて…。

「…アレンくん、どこ?」

寝ぼけ眼で、リナリーは顔を出した。





清々しい一日のはじまりに、小鳥のさえずりが彩りを添える。

「今日も、いい天気になりそうだなぁ…」

アレンは、朝日に目を細めた。
今朝も、庭先に配達された牛乳と新聞を取りに出て来たのだ。寝間着のままのアレンは、人気のない朝焼けの中、大きく伸びをする。

ひゅん。

耳元の空気が唸ったのは、それから直ぐ。

「ちっ…」

「…相変わらず、ノーコンですねぇ」

笑顔を張り付けたまま、アレンは舌打ちした相手に振り返った。そこにいるのは、もちろん――仏頂面。

「ハズしてやったんだ」

「はっはっはっ。昨日もおんなじ科白を聞きましたよ」

「そう言うテメェも、毎朝スキだらけだろうが」





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