執事様の書棚

□小さき花は炎を灯す
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〜空に、太陽はふたつ要らない〜




「あっ!」

――その時ハルは、運命的な出逢いを果たしたのです!

「ツナさぁ〜ん!!」

憧れて止まないあの人が、なんと!大通りの反対側を歩いているのです。
ああっ…。なんてハルは、幸せなんでしょう!!

「ツナさん!ツナさん!ツナさ〜んっ!!」

嬉しくて嬉しくて、何度叫んでも足りません!
なのに――。

「はひ。」

ゼーゼーゼー…。

いくら呼んでも、こっちを向いてくれません。あう〜…どうしてですか?マイ・ディスティニー!?
――っ!?いいえ!負けません!
ツナさんっ!ハルに、いつもの笑顔を見せて下さいっ!!

すうっ…。

「ツナさ…――」

「おーい!ツナぁ――っ!」

え?

「おっ!気付いたみたいだな」

え?

「一緒にいるのは、笹川か?」

ええっ――!!
ツナさんは、ハルの愛の力で呼び止めるハズだったのにぃー!!なんでっ!?

「行こうぜ、ハル。ツナが待ってる」

…………。

「?どうした?」

「何でもないですっ!」

――その笑顔、ちょっとズルイです。それに…っ!?

「引っ張らないでくださーい!」

「こっちの方が、早そうだろ!」



その声で、耳許で、何度もわたしの名前を呼ばないで下さい!





  ‐END‐





「山本とハルだ。二人、一緒だったんだ」

「手繋いでる。仲いいね♪」

「ええ――っ!!?」


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