若旦那の書棚
□Ｄecember Ｄream
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や、やぁ…新八君。
こんにちは、九兵衛さん。姉上に用事ですか？生憎、姉上は出掛けていて…。
否っ…！偶々近くを通り掛かっただけだから、きっ…気にしなくて良い！
そうですか？でも、そろそろ帰って来ると思うので、良かったらゆっくりしていって下さいね。
御茶、用意しますから。
ああ…有り難う。
――処で…もうすぐクリスマスだな。新八君は予定はあるのか？
勿論ですよ…。訊いて下さい、九兵衛さん！
今年は何と！お通ちゃんがイヴコンサートがあるんです！しかも、寺門通初のバラードメインなんですっ！
へ、ヘェ…？
お通ちゃんと言えば、ポップでキュート、時にロックと元気なイメージ売りだったんですが、今回は何と！クール＆ビューティーなんです！クール＆ビューティー！新曲のポスターを見たんですが…しっとりとしたお通ちゃんもまた素敵で…。
そ…ぉなのか？
そうなんです！見事な新境地開拓ですよ！
そりゃあお通ちゃんは、可愛いから何でもイケて当然ですけどね！でもまさか此処で…彼のイメージチェンジ！プロデュースしたつんぽも、さすがと思いますねぇ…。
当然…なのか…？
そうです！当然です！
…あっ！スミマセン！一人で語っちゃって。
い、否っ。熱中できる事があると言うのは、良い、と思…わなくも…ないような…？
そうですかぁ…。いやぁ〜、九兵衛さんに分かって貰えて嬉しいです！
えーと。あー…うん。新八君が喜んでくれるなら其れで――。
はい？
あ、否、其の…彼のっ！話を元に戻すんだが…二十五日の予定は？
恒例のクリスマス会ですよ。まあ、いつもの単なる宴会ですけどね。
あんまりハメを外さないと良いんですが…はぁ…。
………………そうか。大変だな。
ちょ…九兵衛さんまで他人事の様に言わないで下さいよ！お願いですから、当日は手伝って下さい！
え？
まさかとは思いますが、間違っても皆と一緒になって、ハメを外し過ぎたりしないで下さいよ！
…………えーと、新八君。クリスマス会は、何時からの予定なんだ？
彼れ？姉上から訊いてません？夜の七時から万事屋ですよ。
万事屋？
ええ…、昨年の乱入者の多さに姉上がキレちゃって…。
そうか…。うん、そうだったな。
今年は、来ないと良いんだけど…ストーカーですからねぇ…。
…そうだな。
あっ。其れで、九兵衛さんのイヴの予定は？やっぱりセレブなパーティーとかですか？
あー…其の、まだ決まってないんだ。
御家でクリスマスパーティーとか開いたりしないんですか？
パパ上がセレブな人達を呼んで予定しているみたいだが、僕には関係ないし興味もないから…。
そうなんですか…。だったら僕と、一緒に行きませんか？お通ちゃんのコンサート！
え…？僕が…新八君と…？
あ！でも。姉上も予定がまだ入ってないですから、姉上と一緒の方が――。
そんな事はない！新八君と一緒にさせてくれないか？一緒に…連れて行って欲しい！お妙ちゃんは…予定が入りそうだと訊いたんだ！
えっ？そうなんですか？
ああっ！
じゃあ…一緒に行きましょうか。イヴは、九兵衛さんと一緒にお通ちゃんのコンサートですね。
…っ!!
約束ですよ。
ああ、勿論！
あ、後。コンサートの後、親衛隊の皆と完徹カラオケなんです。良かったら九兵衛さんも、御一緒しませんか？
――し…親衛隊…っ!?
途中抜けもＯＫなんですが…駄目ですか？
…っ!?まさか！同行させて貰おう！
ホントですか？楽しみだなぁ〜♪
「そうだな。楽しみだ…」
――二人きりじゃないのか…。くそっ！来年こそはっ！
‐九兵衛さんと新八君‐
了。
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