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□彼方の蒼と紅〜未来〜
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古の哀歌は
星雲の兆しを見付け
永遠らない誓の旋律を
奏でに旅立つ
遥か彼方の光を辿り…
朧な煙と共に、遠い旅路へと向かった幼き想い人──
一筋の涙と、
温もりの残光を残して…
「…おかえり、隼人」
懐かしい追憶の代わりに、真白き光は現れた。
「…ただいま…」
愛しい想い人は、時空を一巡し、古の彼方より舞い戻る。
迂遠の軌跡を辿った俺達だから、
僅かな刻は短く 永い…
変わらない穏やかな眼差しと、優しい温もり…
時を越え焦がれ求めた
それが『今』 目の前にある
「…俺らって、馬鹿だったよな…」
「ほんと、馬鹿で 愚かで……綺麗だったな…」
──純粋に 壊れ易く
脆い 不安定な眩い光…
「幼い隼人、すげー可愛いかったぜ?」
「ばーか、テメーもなっ!」
そう云って、互い顔を合わせて笑みが溢れた。
懐かしい幻影が、鮮やかに残る歪んだ未来──
愚劣で 儚い あの頃が
酷く懐かしくて
愛しい…
遠回りばかりして、
彷惶って、見失いそうになって、
幾度も岐路に迷い続ける…
それでも、一筋の光は必ず彼方を照らし
軌跡の果ては、優しい雨の痕が教えてくれる…
だから
もう 大丈夫──
「…山本、オマエが俺に『今』を与えてくれたんだ…」
…過去も未来も背負うと云い
哀しみ全てを包み込んでくれた…
生きる喜びと
愛し愛される悦び
自分とゆう存在──
全てを山本に与えられた…
「…隼人、オマエのいない『今』なんて、なんの価値もねーんだよ…、今までも…此れからも…、だから…」
──死ぬなよ…
俺を置いてなんて、逝かせねーからな…
「…テメーこそ、犬死になんて、ぜってぇ許さねぇ…」
新たな記憶を刻み
時を刻む…
──生と死
──過去と未来
──蒼と紅
何処までも相成れない平行線
混じり合えない俺達だから
溶け合えない運命だから
果てない未来へ
想いを紡ぎ
果てない彼方へ
想いを馳せる
巡り 永遠らない
永久の旋律
今も 昔も 此れからも
ずっと ずっと
──アイシテル──
fin
■後書き■
彼方の未来番外編です!
このあとは裏部屋へと続きます!
興味のある方は裏部屋へ…(笑)