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□トラブルダイナマイト
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半期に一度行われる恒例のボンゴレ総会。親睦を兼ねた盛大な会合を終えると、次は重要会議と称した幹部の二次会が設定されている。ボスは勿論、守護者揃い踏みで用意された会へと参加するのは半ば強制で、群れを嫌う雲や根なし草に近い謎めいた霧も例外じゃない。



「じゃあ皆、今日は1日お疲れ様。今夜は無礼講だから、心行く迄呑んで騒いで英気を養ってね」

荘厳たる口上を述べ、ボンゴレ10代目沢田綱吉はグラスを翳した。

銘々手元のグラスを取ると、ボスに倣い高らかと掲げ一様に乾杯の挨拶を粛々に待つ。

「では…乾杯っ!」

『乾杯!!』

硝子特有の涼しげな衝突音が響き、玲瓏とした音色が木霊する中ぐびりと飲み干し、各々のグラスが一気に空になった。



「かー…ッ!!極限に美味い酒だな、タコヘッド!」

「てめ…っ、芝生…馴れ馴れしく触んなッ」

隣席の笹川が獄寺の肩を抱き、相槌求め顔を間近で覗き込む。

「つれない事云うなタコヘッド。今夜は無礼講、オマエとゆっくり酒呑む機会に恵まれない俺が、可哀想とは思わんか?」

「…知るかっ、テメェは肉体労働外回り、俺はアジト内の執務担当。仕方ねえだろ」

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