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□戸惑いのBLUE RAIN
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生涯を懸け護ると誓い、祖国を捨て遠い異郷の地を踏んだ。例え失うものがあったとして、それ以上の対価に見合う人を見付けてしまった。

掛け替えのない存在、アイツと俺が培って来た絆や信頼、愛なんて呼んでしまえば聞こえは陳腐かもしれないが、何より大切で何より失なえない…言葉なんて不確かなものじゃとても言い表せない程、生命を委ね背中を預け合う俺達は運命と云う名の宿命の元、対価のない真価、少々安っぽく云ってしまえば揺るぎない"愛"を築き上げて来たんだ。



騒乱のマフィア抗争、数々の同志を喪い皆死んでいった。血で血を抗う粛清。不毛な争いが続き、ツナも獄寺も…仲間も銘々に憔悴の沈鬱な面差しへと疲弊しきっていった。

足掻いた所でまた血が流れる。そんな凄惨な膠着状態が続いた矢先、敵方から和解なる条件付き同盟を持ち掛けられた。



これ以上無駄な血が流される事なく、誰一人喪う事ない無条件の安寧が約束される。



敵ファミリーの女。ドンの一人娘と婚姻を結べば、ボンゴレとの同盟が結束され和解が成立する。



…俺一人の有無で、犠牲を払う事なく平和的解決が実現される。



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