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□最大級のEgoism
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「…それ、逆効果なんじゃない?感じちゃってどーしようもないでしょ」

唇を、双丘に淡く色付く閉ざされた蕾へ落とす。
ふいの口付けに、全身に粟が生じた。

「ひ、やッ…!ばか!汚ねぇ、やめろ!」
「なんれ?」

海堂の言葉などお構いなしに舌で丹念に舐め、綻ばせる。ぐにぐにと与えられる未知の感覚に爪先に力が入る。舌先がノックをするように、とん、と様子を伺ってくるたびに身体が跳ねる。

「ぃ、やだ…っ!信じらんねぇ…!」

溶けはじめた桃色の秘肉に舌端を捩じ込むのは、そう難しいコトではなかったようだ。

「っ…、や、ぁあ…」

人独特のぬめった舌に秘肉が犯される感覚に、より一層手で覆う力を強めて耐える。
しかし、それさえ許されないほどの愉悦を越前は与えてくる。
受け入れる術を知らないそこに覚えさせる様に、何度も抜き差しを繰り返す。舌と肉壁が絡み合い、その度にぐちぐちとぬめった音が耳をさすのだ。羞恥と快楽が海堂を襲ってくる。
力の入らなくなった手はただ宙を切り、ぱたりと部室の冷えた床に着いた。

「も、やめろ…っ」

嫌でも目に入る、自分の脚の間に頭を埋める後輩。言ったところで無駄だとわかっていたが、拒否の意味をこめてぎゅう、と太股で越前の頭を挟んだ。

「…ねぇ」
「!?ひや、あ…っ」

ちゅぷん、と音をたてて舌を引き抜く。突然のコトに思わず嬌声をあげてしまった自分を、海堂は恨んだ。当然越前はニヤニヤと笑っている。

「海堂部長ってば、色っぽーい。それと、こんな柔らかい太股に挟まれても、気持ちいーだけっスよ」

わなわなと震えている海堂をよそに、越前は今度は秘肉に指をあてがった。
唾液で濡れそぼったそこは、簡単に越前の指を咥え込んだ。

「うっわ、やらしー」
「……だまれ」

唇を噛んで、ただ耐えるしかない。
せめてもの抵抗で、ぐ、と力を入れて進入を拒んだ。

「すごいっスね…、締め付けられちゃってあんま動かせないっスよ」

ちょっと力抜いてよ、と越前は海堂の前立腺を的確に刺激した。ぐりゅ、と何かを指で無遠慮に押されて、ぷしりと先端から透明な液が溢れた。

「っや、あ…!」

チカチカと目が回り、ただ与えられる感覚に電流が流れた様にびくんと跳ねるしかなく、搾り取るような動きをするソコに指がもう1本入ってくる。

「海堂部長のナカ、ピンク色ですごいキレーっス」

人差し指と中指で秘肉を拡げ、不躾な視線で覗く。うねる胎内は侵入者を迎い入れるようにヒクつくばかりで、まるで海堂の意思は汲み取ってくれはしない。

「変態野郎…!」
「だからさぁ…さっきも言ったデショ?」

拡げた秘肉にふー、と息を吹きかける。抗いようのない刺激に、ただ声をあげるしかできない。

「っやあ、だ!」
「アンタのほうがヘンタイだって」

びくんびくんと面白い様に跳ねる海堂を、越前は極上の笑顔で見詰めた。
「アンタほんと感度いーよね」

オレのいれたら失神しちゃうんじゃない?
クスクスと意地悪く笑う越前に、海堂は恥ずかしさと悔しさで涙が溢れてしまった。情けなさすぎて次から次へ溢れて止まらない。

「…っも、いいっ、さっさといれろよっ…それで良いんだろ!」

海堂はぐっと脚を開いた。
これ以上わけのわからない辱めは受けたくない。はやく終わらせてほしい。終わったら思いっきり殴りたい。
それ以上に、気持ちよくなるのは、怖かった。
ずっと、仲間だと思っていたのに。なんで。
ぐちゃぐちゃの感情で、越前を睨んだ。

それを見て越前は、怒った様な呆れた様な複雑な顔をする。
薄い唇を、これでもかというくらい噛んでいて痛々しい。

「…アンタって、誰にでもこんな風に脚開くんデショ?サイッテー」
「…テメェに関係ねぇだろ」

何を偉そうに貞操を守れなんてことを犯そうとしている張本人が説教してくるのか、全くわからない。

「…オレ以外のヤツにも、犯されそうになったらそんな風に開くんでしょっ…」
「っんだよテメェ!さっきから意味わかんねぇ!ヤりたきゃヤれっつって…、…?」

起き上がって越前を見ると、何故だか涙目になっている。
泣きたいのはこっちの方だというのに。
それでも、こんな所業をしても、年下で、後輩で、大切な仲間であるのだから、心配にはなるのがまた辛い。

「お前…なんで泣いてんだよ」

海堂は恐る恐る手を伸ばしたが、パシ、と払われた。
今までの仕打ちの中で、一番ずきりと痛んだような気がして、ジンと痺れる手の甲を知らず撫でた。

「…うるさいっスよ。良いよもう、そんなに早く犯して欲しいならしてあげる」

ぐちゅ、と卑猥な音をたて、秘肉に雄蕊をあてがった。
咲きかけの蕾を無理やり花開かせるかのごとく、押し進める。
当然、無理やりこじあけられた蕾は儚く散ってしまう。

「っい、…!越前…や、抜け!」
「早くヤれっつったのアンタでしょ」

強引な所作に耐え切れず流れた血は、皮肉なコトに滑りを良くしてしまった。
ずりゅずりゅと無遠慮に動かされ、溢れる声は悲鳴か、それとも。

「ひ、やぁ…あ、も、やだぁ…、」
「感じてるくせに何言ってんの?インラン」

逃げようとする海堂の足首を掴み、より一層強く腰を打ち付ける。
感じ入った肉壁は、侵入者をキツく締め付けてその行為を歓迎していた。
痛みと屈辱と快楽で視界を遮る涙は、越前の顔を伺えなくしている。
ぼんやりと見上げた越前の顔は、自分よりも悲しそうに見えたのは、気のせいなのだろうか。

飛び散る白濁液と同時に、白く霞む意識。その中で海堂は越前を抱き締めていた。



糸が切れた人形の様に動かなくなった海堂に、越前は恭しく口付ける。

(誰にも理解されなくていい。)
(男とヤりたい、なんて興味本位でアンタを犯したわけじゃない。)
(ずっとアンタが好きだったんだ。)
(好かれてないと自覚していた。だから汚して傷つけて死ぬほど嫌われて、オレの存在を刻みたかった。)
(だけど。)


「だけど…。」
あなたの身体を。
あなたの声を。
抱き締めてくれたこの手の温もりを感じてしまったから。
愛されたい、と。守りたい、と言ったら。
「とんだegoistだよね…」


自嘲気味に笑った越前は、そっと、意識のない海堂に耳打ちをした。
「愛してます…。何よりも。ずっとずっと。」


最大級の、Egoism
イコール
あなたを愛したコト。
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