テキスト

□近い体温、遠い存在
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屈んで目線を合わせる様に顔を覗きこむが、俯いて目を逸し、強く唇を噛んで拒否の意を表している。
決して屈することがないであろう海堂が、今、越前に対して屈しているのだ。
何とも言えない支配感を感じ越前は高揚していく。


「ねぇ、オレのこと思いながらこんなコトしてたんスか?」


萎えかけた雄蕊に軽く触れれば、いともたやすく嬌声をあげる。
自然に口角が吊り上がった。
この人は今自分の支配下にある。
その確証を得た越前は酷く残虐な気持ちになった。


「続き、やってみせてよ」


ばっと顔をあげて戸惑う海堂に、見下した様な視線を送れば、すぐに泣きそうな顔をした。


(当たり前だよね、あんなトコ見られたんだから。逆らえるわけないデショ)


アンタがいけないんだ、と残る良心をかなぐり捨てて越前は詰め寄った。


「…出来ないなら、オレがしてあげる」
「…え」


唐突な発言に反応出来ない海堂をよそに、越前は再び熱に触れて緩やかに手を動かした。


「っや、めろ…!」


海堂は動かす手を掴んで止めようとするが、力が入らないのか添えるだけになっている。


「…ああ、なんだ。一緒にしたかったとか?」
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