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□拍手ログ
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拍手ログC


蒸し暑い日の夕暮れのことだった。


「越前」


唐突に名を呼ばれ、腕を引かれ、抱き締められ。
そして唇が合わさった。


「…え?」


唐突過ぎて唖然とした。
じっと行動を起こした相手・海堂を見つめれば、一瞬顔が歪んで、次にはまた唇が重なる。


人の気配はなかったが、学校なのに。いつ人が来てもおかしくない、廊下なのに。
珍しいを通り越して奇怪な相手の行動に疑問を持ったが、単純に嬉しくて抱き返した。
すると一段と相手の腕の力が強まる。


「負けず嫌いっスね」
「うるせえ」


また顔が歪んでいる。これがただの照れ隠しだと気付いたのは最近のことだ。


触れた唇も抱き合う身体も、溶けそうなほど熱い。


「ねえ、今日どうしたの」


何が、とは海堂もきかない。ただ越前の唇に軽く唇を押し当てるだけ。
暑苦しいのに熱い身体をくっつけずにはいられず、ぎゅう、と抱き付いた。


「…暑いから?それとも、熱い、から?」
「日本語話せ」


ちぇ、と膨れれば、薄く笑う海堂に髪を梳かれる。
その心地良さにうっとりと目を閉じた。


「…暑いのに、てめぇをみたらよけい体温あがった。それだけだ」
「オレも、暑いのに先輩とくっついたりして、熱い。」


そのまま笑いあって何度目かわからない口付けをかわした。
暑くて、熱くて、幸せな夕暮れ。


END
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