テキスト

□理解不能のDesire
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そんなコトが日常と化してきた、昼下がり。
最近の越前は放課後のみならず、昼休みや授業中にも呼び出しをかけてくる。
それが億劫な海堂は、逃げても無駄だと知りつつも、見つからない様にそっと教室を抜け出していた。
(ちくしょ…何で俺がこんなマネしなきゃなんねぇんだ…!)
何故そこまで越前が自分に執着するのか理由がわからない。
何度も何度もそのことを考えて、その度に答えは不鮮明なまま。
「何なんだよ…」
深い溜め息をついて、下を向きっぱなしだった目をあげる。
「…やべ」
越前が居た。
しかしこちらに気付いている様子はなく、誰かと話をしている様だった。
穏やかな笑顔、で。

「……」

話をしている相手はよくわからなかった。
否、確認することも出来ずその場から走り去っていた。
雷が落ちた様な衝撃に加え、身が焼けた様にアツイ。
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