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□雨と夢とエスパーと
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シトシトと雨が降る。
恵みの雨と言えば聞こえは良いが、外で活動する運動部にとっては煩わしいものでしかなかった。


海堂は勢い良く飛び起きた。
夢見が悪かったようで、汗がぐっしょりとシャツに纏わりついている。外の湿気も相俟って、最悪の目覚めだ。
布団のそばにある時計をみれば時刻は深夜3時。目覚めるには早過ぎる。いまだに外は雨音が止まない。
深く深く溜め息を吐く。
それは決して雨のせいで練習が出来ないことではない。やろうと思えば幾らでも室内でも基礎練習は出来る。
では何が原因かと問えば、夢である。
嫌な汗を大量にかいた元凶である、海堂にとってどうしようもなく許しがたい夢だ。


諦めたように布団を剥いで、ノロノロと立ち上がる。着替えを持ってひっそりと静まり返る廊下を気付かれないよう慎重に歩いた。
行き先は風呂場。汗を流したい、というのもあるが本音は別にある。
汗よりも最悪な、白い液体がべったりと下着を汚しているからだ。
忌々しく下着を脱いで浴室で桶につけてジャブジャブ洗う。
健全な男子中学生ならよくある出来事でも、海堂は絶対に許せなかった。
こうなったのは、夢のせいだ。
それも健全な男子中学生たるもの健康な証であるが、内容が全く持って駄目であった。


「なんで越前なんだよ…」
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