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□5000ヒットキリリク
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ある日突然、越前リョーマに猫耳としっぽがはえた。



「先輩、どうしよう」
「いや、お前、それ…」


部活の終わり、誰もいない部室でひとり着替えていた海堂のもとに、越前はやってきた。
正確には猫耳としっぽ付きの越前が。


「なんかわらないんスけど、帰ってる途中なんかムズムズするなと思ったらはえてたんスよね」
「何でだ!」
「そんなの知らないっスよ…」


やけに冷静な越前に、海堂はからかわれているのでは、と思うほどだった。
しかし学ランからはみ出るしっぽは揺れているし、耳はときおりピクリと動いている。


「そ、それ、本物か…?」
「ちょ、やだ」


頭を撫でて耳を触り長めのしっぽを手に取る。
触られたくないのか、スルリとしっぽは手から抜けた。まるで本物の猫のようだ。


「しっぽ触んないでよ」
「わ、悪い…、これ、本当に本物なんだな…」
「そっスよ。頭は撫でていいっスよ、なんか気持ちイイ」


半分宙に浮いていた海堂の手を取り、頭に乗せる。仕方なくフワフワする髪を梳くように撫でつつ、しっかり猫耳を堪能した。
しだいにうっとりと目を閉じはじめた越前から、かすかに声が漏れる。


「…ん」
「へ、変な声出すな!」
「だ、だって、しかた、な、いじゃない、…スか」


潤んだ瞳で海堂にしなだれるようにしがみついて、タンクトップを噛んだ。
時折漏れる甘い声とピンと立つしっぽ。海堂は何か病気なのではないかと不安になる。そもそも猫耳としっぽがはえてる時点でおかしいのだが。
そこで気付く。
そう、越前は、今、猫なのだ。
猫特集の番組や雑誌をみて得た知識が、海堂にひとつの答えを導いた。


「お前、もしかしてそれ、喉鳴らしてるのか?」
「そーみたいっスね…。」


何とも中途半端な猫化である。
越前は頭をすり寄せてきてなおも甘えてくる。いつもならば引き剥がすところだが、どうにも出来ない。


「オレ、このまま猫でもいいかも…」


ざり、と普段よりいくぶん荒い舌が海堂の唇を舐める。
熱を持った猫耳に揺れるしっぽ、甘い吐息に濡れた瞳。
それらすべてが海堂の思考を停止させてしまい、少しの幸せを感じながらただ頭を撫でながらされるがまになってしまった。


END

5000hitキリリク、猫リョーマと飼い主海堂でした。リクエストありがとうございました!

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