その他作品群


□不幸な運命(名前変換なし)
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ゾルディック家のあるパドキア共和国から移動用の念能力で、流星街に帰ろうとしたところだった。

なぜか念能力が暴走していつの間にか俺は見知らぬ土地へ放り込まれていた。










「痛ててててて・・・。ったく、なんなんだよ・・・もう・・・。」










辺りは暗闇に包まれている。

新月の夜。


俺は、風に乗って漂ってくる微かな血の臭いに眉を顰めた。

円(エン)を発動させると、4本くらいだろうか?

鋭利な何かが俺へ飛んできた。


咄嗟に鋭利なそれを手で受け止めたが、よくよく見ると・・・










「メス・・・?」










そうだ。

これはメスだ。

でもなぜメスが俺の方に飛んでくる?


前世・・・HUNTER×HUNTERの世界に行く前のアノ世界の出来事を、嫌になる程鮮明に(今でも)覚えている俺は、

"メス"というキーワードに、一瞬漫画越しに見た(あの)独特な笑いと風貌を思い出した。


メスを武器に持つ、奴。(あいつだ)

だが、もしそれが仮に本当だとしても・・・。

可笑しいだろう?










「(異世界トリップ?いや、まさか。)」










異世界トリップの二乗。

まさに今はその状況だと言うのか?

俺は俺の考えに失笑した。


だが・・・・・。


確かに俺の円には数人の人がかかっている。

殺気を隠すのが恐ろしくヘタな奴らが数人。

だが、1人だけ。(本当に1人だけだ)

プロがいる。


兎に角、戦わなければならないようだ。(人を殺さなければいけないのか・・・)

俺は、ヒソカとお揃いの(無理矢理持たされた)トランプを手に取った。

トランプを周(シュウ)で覆う。

襲い掛かかってきた奴等に向けて何枚か的確に投げると呆気なくカタが着いた。










「(本当に呆気ない・・・)」










しかし、プロ(だと俺は予測している)は静かに近付いてきた。

俺は、恐る恐る振り返る。










「初めまして。私は赤屍蔵人と申します。」

「・・・・・・どうも。籐城湘吾です。」










・・・黒衣の死神に、俺は密かに恐れを抱いた。



マジかよ。

Get Backers の世界に来ちまうなんて・・・。

クロノス、覚えてろよ・・・!



心の中で毒を吐く。

赤屍は俺をじっと見たままだ。










「・・・貴方も面白い方ですね。」










クスッと笑う彼の黒い微笑みに、背中にゾクゾクッと悪寒が奔った。


彼は両手に構えていたメスを静かに仕舞うと、俺に近付いてきた。










「・・・クスッ・・・そんなに身構えないでくださいよ」

「(・・・無理だから!身構えないとか無理だからぁッ!!!)」










運び屋。通称「ドクター・ジャッカル」。本名は赤屍蔵人。

油断は・・・・・・・・禁物だ。


これが、俺と赤屍のファーストコンタクト。











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