その他作品群
□不幸な運命(名前変換なし)
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赤屍蔵人に逢い、静かな攻防を繰り返した結果、俺は見事敗北。
そして何故か彼と同居する様になってから早3日。
彼は今日と明日、運び屋の仕事で居ないらしい。
彼は俺の実力を見たいと言っているが、俺はまだ赤屍に"能力"を見せる気はない。
「では、行ってきますね。」
「おう。」
クスッと(また、あの)独特な笑みを見せて赤屍は仕事に行く。
俺は服の調達をするため、新宿に足を進めた。
1時間ほど買い物をして、荷物を置いて、新しい服に着替えて・・・
もう一度俺は外に出かけた。
カフェで一休みというのも乙だなと思い、「HONKY TONK(ホンキートンク)」というカフェを捜した。
チリーン.......
「いらっしゃいませ。」
俺は、カウンター席に座った。
「ご注文は?」
「マンデリン。ブラックで」
「少々お待ちください。」
モカ、ケニア、キリマンジャロ、ロブスタ、ハワイ・コナ、グァテマラ、ブルーマウンテン、コロンビア、ブラジル・・・
俺のお気に入りは、ブルーマウンテンだが、今日の気分はマンデリンだった。
マスター(波児(ポール)と言ったか)はコーヒーを入れながら笑った。
「お客さん、見ない顔だね。初めてかい?此処に来るのは。」
「ええ。初めてですよ。」
「運がいいね、あんた。マンデリンは入荷したてなんだよ。」
「そうなんですか?・・・楽しみだなぁ。」
「ははは!・・・俺は波児(ポール)ってんだ。あんたは?」
「湘吾です。」
「湘吾くんか。ほかに注文はあるかい?」
「じゃあ―――――・・・」
俺はカウンター席の一番端で生ける屍のようになっているGet Backersを見て言った。
「ビターチョコケーキと・・・彼等に、サンドウィッチ2人前と、適当な飲み物を。」
「ははっ!懐かれるぜ?」
俺は波児の言葉に笑いながら手を振る。
苦笑しながら波児はGBの2人にサンドウィッチ2人前と飲み物をやった。
凄い食いっぷりに、俺は笑った。
食べ終わったのか2人は近付いてきた。
「あの・・・。」
「はい?」
「食べ物、ありがとうございました!」
「ご馳走さん!」
復活した2人に、俺はニッコリと笑って見せた。
「いーえ。どういたしまして。」
「オレ達、【奪還屋】っていうヤツをやってるんだけど・・・」
「大体はこの店にいるから、奪り還して欲しいモンがあったら声かけてくれよな!特別料金で引き受けてやるからよ!」
「あ、オレは天野銀次です。」
「俺は美堂蛮だ。」
「・・・俺は、籐城湘吾。」
チリーン..........
そう音を立てて、女性が1人入ってきた。
「はぁい♥久しぶりね。蛮くん、銀次くん。」
「来たな!デカ乳女!!!」
「ヘブンさん久しぶり〜!」
「仕事持ってきたわよ〜!・・・って、あら?お客さん?」
「ああ。俺の事は気にしないで下さい。」
「そう?」
仕事の話を始めた彼等を見て、俺は波児の淹れてくれた(既に冷めた)マンデリンを飲み干した。
「代金は此処に置いておきます。」
「ああ。」
「また、明日・・・お邪魔させてもらおうかな?」
「・・・いつでも来な。」
「はい。」
帰路につく。
黄昏時の空は、3日でホームシックに陥った俺の心を映し出しているよう・・・
ふふふ、クロロ達は元気かなぁー・・・・・・?
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