その他作品群


□不幸な運命(名前変換なし)
2ページ/7ページ



赤屍蔵人に逢い、静かな攻防を繰り返した結果、俺は見事敗北。

そして何故か彼と同居する様になってから早3日。

彼は今日と明日、運び屋の仕事で居ないらしい。

彼は俺の実力を見たいと言っているが、俺はまだ赤屍に"能力"を見せる気はない。










「では、行ってきますね。」

「おう。」










クスッと(また、あの)独特な笑みを見せて赤屍は仕事に行く。

俺は服の調達をするため、新宿に足を進めた。


1時間ほど買い物をして、荷物を置いて、新しい服に着替えて・・・

もう一度俺は外に出かけた。

カフェで一休みというのも乙だなと思い、「HONKY TONK(ホンキートンク)」というカフェを捜した。







チリーン.......


「いらっしゃいませ。」










俺は、カウンター席に座った。










「ご注文は?」

「マンデリン。ブラックで」

「少々お待ちください。」









モカ、ケニア、キリマンジャロ、ロブスタ、ハワイ・コナ、グァテマラ、ブルーマウンテン、コロンビア、ブラジル・・・

俺のお気に入りは、ブルーマウンテンだが、今日の気分はマンデリンだった。

マスター(波児(ポール)と言ったか)はコーヒーを入れながら笑った。










「お客さん、見ない顔だね。初めてかい?此処に来るのは。」

「ええ。初めてですよ。」

「運がいいね、あんた。マンデリンは入荷したてなんだよ。」

「そうなんですか?・・・楽しみだなぁ。」

「ははは!・・・俺は波児(ポール)ってんだ。あんたは?」

「湘吾です。」

「湘吾くんか。ほかに注文はあるかい?」

「じゃあ―――――・・・」










俺はカウンター席の一番端で生ける屍のようになっているGet Backersを見て言った。










「ビターチョコケーキと・・・彼等に、サンドウィッチ2人前と、適当な飲み物を。」

「ははっ!懐かれるぜ?」










俺は波児の言葉に笑いながら手を振る。

苦笑しながら波児はGBの2人にサンドウィッチ2人前と飲み物をやった。

凄い食いっぷりに、俺は笑った。

食べ終わったのか2人は近付いてきた。










「あの・・・。」

「はい?」

「食べ物、ありがとうございました!」

「ご馳走さん!」










復活した2人に、俺はニッコリと笑って見せた。










「いーえ。どういたしまして。」

「オレ達、【奪還屋】っていうヤツをやってるんだけど・・・」

「大体はこの店にいるから、奪り還して欲しいモンがあったら声かけてくれよな!特別料金で引き受けてやるからよ!」

「あ、オレは天野銀次です。」

「俺は美堂蛮だ。」

「・・・俺は、籐城湘吾。」







チリーン..........


そう音を立てて、女性が1人入ってきた。










「はぁい♥久しぶりね。蛮くん、銀次くん。」

「来たな!デカ乳女!!!」

「ヘブンさん久しぶり〜!」

「仕事持ってきたわよ〜!・・・って、あら?お客さん?」

「ああ。俺の事は気にしないで下さい。」

「そう?」










仕事の話を始めた彼等を見て、俺は波児の淹れてくれた(既に冷めた)マンデリンを飲み干した。










「代金は此処に置いておきます。」

「ああ。」

「また、明日・・・お邪魔させてもらおうかな?」

「・・・いつでも来な。」

「はい。」










帰路につく。

黄昏時の空は、3日でホームシックに陥った俺の心を映し出しているよう・・・

ふふふ、クロロ達は元気かなぁー・・・・・・?













.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ