REBORN

□伝わらない決意
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 生物という物は本当にやっかいだ。

 この場合の「生物」は生き物としてのそれでは無く、勉強としてのそれなんだけど。

 「うぅ、、どーしよ俺・・・。」
 広すぎるテスト範囲を目の前にして思わず呟くと、ツナが気遣わしげに見つめてきた。
 対象的に獄寺が呆れたように睨んでくる。
 「あのなぁお前・・・生物は理科の中でも覚える事が多いんだから、テスト一週間前に焦って勉強すんなって何回言わせたら気が済むんだよ、、高3にもなって何やってんだてめぇは。」
 「ごめんね獄寺君、、オレもなんだけど・・・つい忘れちゃうんだよねー・・・。」
 ツナが申し訳なさそうに言うと、獄寺はころっと表情を変えた。
 「いいんです十代目は!忘れちゃいますよねーこんなめんどいの★」
 「あはは、ホントなのなー。」
 「てめぇは覚えてろ!!」
 「えーひどいのなー。俺も教えてー獄寺ー。」

 そう俺が頼むと、ぶちぶち文句を言いつつも丁寧に教えてくれる。

 いつも、いつも。

 「ったく、、しょーがねーな、、」
 ほらね。

 獄寺はいつもは素っ気なくて冷たいけど、本当は優しい。
 


 俺の大切な、恋人。




 夕日が射し込む放課後の教室で、ツナと獄寺とこうして三人でテスト勉強をするのは中学生の頃から高校生になった今も同じで。

 何だかずーーーっとこれが続くみたいな錯覚を覚えてしまう程幸福だ。
 
 「わっもうこんな時間!?ごめん、俺委員会あるから先に行くねー。」
 時計を見たツナが慌てて荷物をまとめる。
 「じゅっ十代目!!ご自宅での学習で何か分からない所がお有りでしたら何時でも良いのでメールでも電話でも何でもしてください!!」

 あれ錯覚かなー獄寺に尻尾が付いてるみたいに見えるのなー。
 「あはは、、ありがと、獄寺君。じゃーねー山本!」
 「おうじゃーなー。」
 「お気をつけて十代目ぇ!」
 走って教室を出ていくツナの背中を、まるで飼い主が買い物の間路上で待たされている犬のみたいに寂しげで悲しいような・・・そんな目をして獄寺が見つめるから。

 「ごーくでらーこっち向いてー」
 「あぁ?んだy」
 
 
 ちゅっ


 「んなっ、、て、め・・・いきなり何すんだ!!」
 「何ってちゅー。」

 俺が照れもせずにけろっと答えると獄寺は真っ赤な顔で口をぱくぱくさせている。

 「あぁもう本当に可愛いのな★」
 そう言ってわしわしと獄寺の銀の髪を撫でる。
 灰緑色の目が不満そうに逸らされた。
 「・・・やる気ねーなら教えてやんねーぞバカ本。」
 「あっすいませんお願いします!」

 冷たい事言う割に顔が真っ赤なのなーw
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