暁高校
□日曜日朝10時美術室前
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…これ、担任としてどうなんだろうな、実際。
えこひいき って奴じゃねえかな
まあ、いいか
ペイーンなんて生徒と昼間っからヤりやがってるし
ったく、保健室の先生の身にもなってみろってんだ!
「おせえぞ!うん!」
「…」
「オイラの芸術作品の何処に文句があるってんだ!あん?」
「ただのチンピラの成りそこないか、ガキが」
「うんんん!?んだと!!こちとら日曜日だってのに早起きで辛いんだからな!!うん!!」
「何時からいるんだよ」
「さっき来たばっかり」
「うそつけ」
「う、嘘じゃないぞ!うん!」
「汗」
「あ…」
「ここ日当たり良いから10分いるだけでこの季節あっついからな」
「バレてたのか、」
「当り前だ。俺を誰だと思ってるんだ。」
「担任」
「ああ、そうだな。俺はお前の担任だ。」
「…アンタ、何か変だな。この前放課後オイラと話してから何か変だぞ、うん」
「ほら、クーラーつけてやったから涼まれ」
「だーからっ…涼しいいいいいい」
「…デイダラ、この作品なんだが」
「うん?」
「いーやっ!!これは絶対ゆずれない!!このつぶらで可愛らしい目が爆弾という凶器を和らげる効果があるんだ!!うん!!」
「そうじゃなくて!ここをこうすれば」
「おおおお…」
「クックック」
「ハッ!オ、オイラがまた他人の作品に見入ってしまうとは…」
「"他人"だと?」
「た、"担任"ですね、うん」
「担任、ねえ」
「先生?」
「そんな壁、なくなれば良いのにな」
「はあ?本当にどうしたんだよサソリの先生、」
「なあ、デイダラ」
「うん?」
時間は夕方。
デイダラと話しているとついつい楽しくて時が過ぎるのが早く感じて仕方ない。
このまま止まって、空間を一人占めできたら、良いのにな
外を見てみれば部活動の片付けも始まっている。帰宅途中の生徒もいる。
もう、そんな時間か
外から視線を戻せばデイダラのまるい目がずっとこちらを向いていた。
コイツは、女を作ったりしないのか?
そうしたら、俺だってこんな考えることなんて無くなったり…しないな多分
「おまえ、彼女とかいんのか?」
「は、はあ!?なに生徒に聞いてんだよ!」
「たまには良いじゃねえか!誰にも言わねえって!」
「そ、そういう問題じゃないだろ!!
…じゃあアンタが言ったら教えてやるよ」
「いない」
「即答!!」
「で?」
「う…」
「おめえはどうなんだよ」
「え、と…いない」
「ふーん」
「べ、別に彼女とか今は要らないし、こうやって楽しいって思える場所があるだけで充分とか思ってたりするからさ、うん!」
「綺麗事 言いやがって」
「そんなつもりで言った訳じゃねえって!うん!!」
「俺はそんなお前が好きだけどな」
「ふぉ!」
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