暁高校
□授業中書いた手紙@
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「春はあけぼのー」
「春はあげぽよー」
「うるさい黙れ飛段」
「ゲハハ!発音が似てたからさー!」
「お前はバカなんだから、な?黙って教科書を読んでろ」
「オーケーオーケー!!春はあげぽよー」
「どうやら成績を落としてほしいようだな」
「冗談だって!!真面目に読む読む!」
「て言ってももうお前から下げられる程の成績がないのだがな」
「春は‥えええっ!!!」
角さんの授業中、またか‥と思わせられる飛段との絡み。
角さんは普通にしている様だが、どうも飛段から突っかかってくるらしい。
そんななか、デイダラは飛段に目と口を奪われてる事を良いことに授業中に手紙を書いていた。
「(直接言えない様な事は手紙に書くのが良いって、このまえ雑誌に載ってたんだよな!うん!)」
カリカリと、考えるが間々にペンを動かしていった。
角さんは勿論飛段と話しているのでデイダラには余裕だった。
「(できた!うん!)」
デイダラは嬉しそうに角さんの目を盗み、仕上げた手紙をポケットに入れる。
そしてニコニコしながら教科書に目を向ける。
キーンコーンカーンコーン‥
「チィッ、もう終わりか‥お前らよく復習しておけ」
そう言い残して角さんは教室を去っていった。
そしてその後を「角都〜♪」と嬉しそうに飛段が追いかけていく。
デイダラは、その二人が確実に出ていくのを確認してからサソリのいる職員室へと向かっていった。
「(よしよし!先生がここに居てくれればオイラのノルマはクリアだな!うん!)」
フフッ!と嬉しそうにしながら手紙の入ったポケットに手を入れる。
カサ、という紙の音。
ガラリと開けてみればそこは忽ち大人しか居ない世界。
デイダラはサソリを見つけて向かっていった。
「サ!ソ!リ!の先生!」
「何の用だ」
「これを渡しに来たんだ‥うん!」
デイダラはカサリ、とポケットから紙を出す。
出してから見たそれは書き留めていた手紙ではなく
「レ、レシート!?」
「うるせえんだよ!マゲ!!」
「ち、ちがうんだよ先生!オイラ、オイラは先生に‥」
「あん?俺にはレシート渡しに来た様にしか見えねえんだが?」
「そんなののために来たんじゃないよ!うん!」
「じゃあ何しに来たんだよ」
「えっ!!(手紙渡しに来たのに手紙がないんじゃ、どうしようも‥)」
「俺は暇じゃないんだ!用がないならさっさと教室戻れ」
「‥う、うん‥ああっ!!(あ、あの手紙の内容‥誰かに見られたらまずい!!!)」
「いちいちうるせえなお前は!!早く戻れよ!!」
「そそそれどころじゃないよ!うん!オイラ!あ!やばい!!」
それだけ残して急いでデイダラは教室へと戻っていった。
「‥‥なんだアイツ、」
「(あれには‥他の人には見られたくない事とか、とりあえず先生大好き!みたいな内容が書いてあるから‥何としてでも!!!)」
先生以外に見られたくない!!!
(先生だけに見てほしいあの手紙)
(‥デイダラ、)