NARUTO

□サソリとデイダラのバレンタイン
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「はい!旦那!ハッピーバレンタイン!うん!」

「お、おお」

「‥‥、」

「‥食うぞ、デイダラ」


二人とも新婚夫婦のように照れていた。
サソリは箱に入ったデイダラの愛が詰まったチョコを取り出す。
パクリと口に含むと口いっぱいに広がる異様な味。


「(‥‥あれ?ま、まず‥)」

「どうだい旦那!おいしいかい!うん?」

「あ、ああ‥」


噛めば噛むほど広がる謎の味。
お世辞でも美味しいとは言えない味でサソリは顔に出さぬよう必死に保たせる。
目をキラキラさせながら間うデイダラを裏切らないように、何とかして食べきろうとするサソリの額には嫌な汗が浮かんでいた。


「お‥おいしいぞお!(裏声)」

「ほんとかい旦那!オイラ、何よりも嬉しいぞ!うん!」

「お、おー‥」


ザクザクバリバリゴリゴリガリガリ
サソリは息を止めながらチョコを口に放り込み、噛み砕いて飲み込む。
デイダラは決して料理が下手というわけではない。
ただ たまに醤油とソースを間違えたり典型的なミスをすることがある。
きっと砂糖と塩を間違えたのだろう、とサソリは思いながらカラカラになった喉に水を通す。


「(やばい!死ぬ!!どんだけ塩いれてんだよ!!)」

「そんなに美味しいのかい?作って良かったよ!うん!」

「おお‥うめえぞ、(あと少し!!)」


やけくそになったサソリは残りを口に含んで飲み込む。
そして一気に水で流し込む。
タン!と空のコップを置くと息を切らしたサソリは素晴らしい達成感に包まれた。


「甘くなかったかい?ちょっと砂糖を入れすぎた気がするんだ、うん」

「えっ!!あ、いや!んなことなかったぞ!」

「ありがとう旦那、大好きだよ!」

「あっ!お、おい待てお前!」


デイダラはチョコを食べた甘いはずのサソリの唇に近寄っていく。
サソリは上手く力も入らずデイダラを受け入れてしまう。


「‥!?ん、むぅ!?」

「‥‥(あー‥)」


デイダラは驚きながら勢いよくサソリから離れる。
サソリは、はぁ、と息をこぼす。


「だだ、旦那‥胃液が逆流してるの?」

「バカかお前!!どう考えてもお前の作ったチョコだろうが!!」

「え‥‥オイラ、もしかして‥」

「‥あ、ああ」

「ごめんよ旦那あああ!!!オイラまた間違えちゃってたああ!!」

「デイダラ‥いいから」

「ら、来年は‥ちゃんと美味しいの作るから、うん」

「‥楽しみにしてる」


そう言うとサソリは優しくデイダラの頭を撫でる。
本当は めいっぱい甘いキスをしたかったサソリだが、堪えてギュッと抱き締める。



(作ってくれただけで嬉しかったよ)

(旦那‥)

(要は気持ちだろ?)

(うん‥旦那!大好き!)

(だからお前‥)

(まずっ!!)

(キスは駄目だって忘れてんじゃねぇよ‥)

(おおう‥)



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というわけで!
ハッピーバレンタイン\(^o^)/

うん!最初は甘くしようとしたんですが途中から取り返しつかなくなって(殴)←

とりあえずデイダラがチョコ失敗して頑張るサソリが書きたかった!

 

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