ポケモン
□ただいまの理由
1ページ/1ページ
「なあ、シルバー」
「なんだゴールドキスしてやろうか」
「なんで句点もなしにそんな事言うんだよ勘弁してくれよ」
「冗談だ。なんだ」
「なんかさ、オレらっていつか離れたりするのかな、て思うんだよね」
「…は」
俺とゴールドが?
こいつ、いきなり何を言うと思えば
「たまにオレ、思うんだよ
いつかシルバーちゃんに捨てられるんじゃないかって」
「…」
「何も言わずにどっかフラッと消えたりした時はオレ、捨てられたんじゃないかって、すっごい悲しかった」
「…」
「オレなんかじゃシルバーを満たすことが出来なかったんだ、て…まあ、こんな自分じゃ仕方ないかって思ったけど、悔しかった」
「ゴールド…」
「……シル、バぁ…」
こいつは、本当に馬鹿だ
でも何も言わなかった俺の方がもっと馬鹿かもしれないな
とりあえず今はいっぱいゴールドを可愛がってやらないと、
コイツも俺も満たしてやらんと
俺がゴールドを置いていった理由はあくまで修行が目的。
ゴールドにまとわりつく悪態をやっつける為
…さいきん先輩方がゴールドの周りをウロチョロしているのをよく見る。
でもコイツは鈍感だから好意だって気付いてない。全く、手がかかるぜ
修行にゴールドを連れていけば毎晩でもゴールドを襲ってしまいそうだった。
「シルバー…」
「…わかっただろ?俺はお前を守るために違うポケモンがいる地方を選んで修行しに行ったんだ」
「…おま、オレも連れてけよっ!!!オレだって新しいポケモン見たかった!!!」
「はあ?!おまえ、」
「なんでいっつもシルバーばっかり新しいもん見てんの!!マジでズルイ!!」
「おまえ、話きいてたか!」
「…ばあか!だから次はオレも連れてけって、オレだって、お前を守りたいし」
「お前に攻めは向いてないな」
「今それは関係ねーだろーが!!」
「いいんだ、お前は俺に守られてれば」
「シルバー…」
「これは…列記としたシルゴね!」
そっと壁から見つめているのは2人と同じ図鑑所有者のクリス。
彼女は腐女子だ。
今日も2人に気づかれることなく様子をうかがっているのだった。