いち
□深層に隠れた傷を洗うのは
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情事の後半蔵はまた湖で身を清めて足早に去っていった。
取り残されたような気分の狼が1人湖畔に佇んでいる。
先程の事を思い出していた。
泣いていた。
確かにあの小柄は泣いていた、自分では気付いていないだろう。
もっと楽に生きれば良いものを、と柄にもなく思い
無理か、と頭を振った。
なかなか頑固な小柄はまた狸のもとへ還っていった。
奴には還る場所がある。
ふ、と笑い暖かな風に紛れて風魔は姿を消した。
-終-
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