いち
□焦燥
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新緑芽生え盛る季節、うだるような暑さが続く毎日に若きもののふは稽古に励んでいた。
熱い外気と共になり一心不乱に槍を振る、そんな時間がもののふは好きだった。
ただ純粋に武芸に励める時間。
もののふは幼い頃より武芸に励み慣れ親しんだ。父や兄は計略に長けていたがもののふはあまり得意ではなかった。
ならば他の部分で秀でれば良いではないか、と鍛錬したのが武芸であった。
槍を振れば己の惰情も振り払えるような気がして、
焦燥
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