harruhi's novelU

□長門と俺とハルヒの妨害と
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「私と付き合って」
 長門さんに、そう言われてしまった。
ここは学校の裏庭だ。近くの自販機からコーヒーを二つ買って、二人で飲んでいたのだ。すると、長門は何を思ったのかそう呟いたのだ。
何に付き合えば良いのだろう。図書館? それともカレー作り? 分けが分からないまま、俺はとりあえず「はぁ……」とだけ返した。
「何に付き合えばいいんだ?」
 その辺アバウトだよなぁ……と感じながら、俺はコーヒーを飲みながら長門の返答を待っていた。長門は口を開いて、淡々と俺にこう言ったのだ。

「私と、恋人としてお付き合いをしてほしい」

 思わず、コーヒー噴いたね。うん、仕方ない。不可抗力としてくれ。マジで頼みますよ。
「――なぜ、コーヒーを噴出したのか理解しかねる」
「あのね長門さん……いくらなんでもそんな誤解を招く言い方……」
「おそらく、彼方の考えている事が誤解。
 私は彼方と恋人でありたいと考えている。それは私自身の意思」
「――そう、なのか?」
 長門は俺じゃないと分からないくらい小さく頷き、そのままコーヒーを一口飲んだ。
「あー……まぁ、その……なんだ」
 遂に俺にも春が来たか……と喜べるものだと思うのだが、意外と俺は冷静だった。俺は頭をかいて少しドキドキする胸を押さえながら、長門に向けてこういった。
「えっとな、俺もお前の事は、好きだ。付き合って恋人にもなってみたい」
「そう」
「だけど、その――いろいろ、あると思うんだ。これから先も。ハルヒの事とか……お前の、お偉いさんの事とかさ」
「そう」
「――その辺、全部背負える覚悟……あるのか?」
 ちなみに、その覚悟は俺にならある。俺はあの時誓ったんだ。俺は今のこの楽しい日々を守るために、全てを敵に回す覚悟だってある。たとえ世界が変形ロボとなって襲いかかってきても、俺は確実に倒せるジョーカーを持っているのだから。
「――」
 長門はしばし、沈黙を保った後に、小さく呟いた。
「――ある」
「そうか」
 それ以上、言う事はなかった。
「じゃあ、付き合おうか」
「分かった」
 その日から俺達は――恋人同士になった。

**

 ――チャンチャン、なんて終わらせる筈、ないでしょうがぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!



有希ったら、あんなに手の早い子になっちゃってまぁあああああああっ!!!

妨害! 皆で力を合わせて妨害よ!

ふっふっふ! シン・○スカがいつまでたってもキ○・ヤマトを倒せないように、正規ヒロインは常にこの涼宮ハルヒなのよ!!

**

「シンが主人公だぁああああああああああああああああ!!」

 俺はベッドから飛び起きながら、なぜかそんな奇声を発していた。

……なんだ? またハルヒがバカやらかしたかな?
まあ良いや、寝よ寝よ。

「ZZZ……むにゃ……シン・○スカ、デスティニー、行きまーす……」

 寝言を言いながら、俺は眠りについたのだった……。
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