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□拍手ss
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自分の足を、こんなに恨めしく思ったことなんてなかった。
動かない足
それがイノセンス解放による影響だとしても
私が、戦えないことは事実だから。
「リナリー、無理すんなさ」
「そうですよ。ほんとにおぶらなくて大丈夫ですか?」
みんなは優しい。
その優しさがうれしくて、でも辛くて。
戦えない
守るための力がないから
守るために戦えない。
「大丈夫、ありがとうアレンくん、ラビ」
微笑んで、また一歩踏み出す。
戦えない私は、見守るしかできないけど。
信じることしか、できないけど。
失いたくない世界があるから
だから、祈るよ。
+ + +
お願いだから、欠けないで
大切な、私に見える世界
リナリー・リー
07.05.05 shiyui