独り言
□1年の始まりwith2008
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「そういえばさ、こっちにも元日とかあんの???」
その有利の一言で、眞魔国に「元日」という言葉が誕生した。
いま地球はクリスマスが終わって、新年を迎える準備真っ最中。
ここ眞魔国でも雪が降り、この間、有利の提案でクリスマス会が終わったばっかり。
「そうですねぇ・・厳密に言うと無いんですけど、今が丁度季節の折り返しですかね。」
ニッコリと笑って言うコンラッド。
その言葉に続いて、ギュンターが説明を始める。・・長い。
あっ、自己紹介が遅れました。
私の名前は、渋谷結城。
眞魔国第27代魔王・渋谷有利原宿ふr・・・じゃなくて、渋谷有利の妹。ひょんな事から眞魔国の存在を知り、またまたひょんなことからこの世界と地球を、有利と一緒に行き来する普通の女子高校生。
・・妹っていっても双子だから、実際あんまり変わらないんだけど。
有利と変わらない身長に、日本人特有の黒髪黒目。
どうやらギュンターの説明によると、元旦っていう概念は無いんだけど、季節・・というか一年(?)の折り返しはあるみたい。
丁度一週間後・・かな??
でも誰も何も気にしないし、別段重要視してないみたい。
「なんか、パーティーとかやりそうだな。有利のあの様子だと。」
ギュンターと有利のやりとりを微笑みながら見ていたコンラッドが、こっそりと私に話しかける。
「そうだねぇ・・有利は、新年とか一年の締めくくりとか大事にする子だから。」
なぜか上から目線。(笑)
パーティーかぁ・・そしたら・・。
「2人っきりでいられなくなるね。」
私の心の中を読んだかのようなコンラッドの台詞に、ドキッとしながら上にある彼の顔を見上げる。
そうなにを隠そう・・
「婚約者と一緒にいたかったんだけどな。」
私とコンラッドは、婚約者なのです。