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□相愛性理論
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「んっ…」

首筋にのし掛かる圧迫感で目が覚めた。

ぼんやりと天井を見上げて、「どうしてたんだっけ?」と考える。

天井が西日に染まっていく。
身動ぎをすれば目元に筋肉質な腕が降って来て、「ああ」と隣を見た。

傍らには、安心しきった顔で私に腕を回して眠る先生の顔。

そういえば、゙明日から二人一緒の連休だ!゙って真夜中まで二人で飲んでたんだっけ。先生の家で二次会をして、ダラダラと縺れながらどちらともなくベッドに潜り込んだのは明け方だった気がする。

それから少し寝て、絡まって、寝て…。
どちらかが「起きよう」って言えば起きただろうけれど。私達はそれをしなかった。

そして今、明るかった窓の外は再び夜を迎えようとしている。

「――…爛れているな。」
耳元で掠れた重低音がして、目を向けた。先生の唇が、頬に触れる。彼の髪はくしゃくしゃに乱れていて、寝惚けた顔は何だか可愛かった。

「ですよね。私、学生時代でも無かったですよ。こんな、絵に書いたみたいに性に爛れた生活。」

「奇遇だな。僕もだ。」
フッと先生が笑う。しかし、彼は直ぐに表情を曇らせた。

「流石に胃に何か入れないとマズそうだ。」

「――…冷蔵庫、何も無いですよ。」

「ふむ、」
唸った先生がもそもそと起き上がり、私も後に続く。
シャワーを浴びて身支度を整えた私達は、近所のスーパーへと出かける事にした。



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