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□変人と彼女
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ある晴れた日の研究室。本来であれば、変人と呼ばれる一風変わった主が居るはずのそこには、スーツを着込んだ男女が居た。
男は30代で細身。足が長く、涼しい顔立ちをしており、名を草薙という。
もう一人は、20代のやせ形で、肩胛骨まである黒く艶のある髪を後頭部の低い位置でキッチリと結んでいる。男から名を内海と呼ばれていた。
二人は、至近距離で何やら話し込んでいる様である。
そこへ、研究室を目指し、廊下を歩いて来る人物が一人。
研究室の主である変人、その人だ。もちろん彼は、中の様子など知る由もない。