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□君がくれる場所
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"二人揃っての休日は久しぶりで、僕は珍しくはしゃいでいたのかも知れない―…。"



休日の昼下がり。湯川宅のリビングにあるソファに、二人は並んで座っていた。

風が室内に吹き込むと、窓際のカーテンがサワサワと揺れる。8月に入ってからというもの猛暑が続いていたが、この日は珍しく涼しかったため、二人は窓を開け放していた。心地よい風が、ソファに並んで座る二人の髪を撫ぜる。


「あ、違う!違う!」
携帯ゲーム機でパズルゲームをしていた薫が、時折悔しそうに唸る。

その隣の湯川は、一般人には解読不能な文字の羅列を熱心に読んでいた。

薫の話に一切返答を返さないあたり、本の世界に相当のめり込んでいる様だ。

「…今何時だ。」

強い風が吹き込んだ事で気が逸れたのか、湯川は顔を上げた。

「…2時です。」

「腹が減った。」

「作ったところで文句しか言わない人には、作りませんから。」




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