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□彼女相棒
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"転倒したのか…"
右半身がコンクリートの床に密着している。先ほどの痛みは、身体を打ち付けた時のものだと分かった。
コンクリートの、ヒンヤリとした感触が服越しに伝わる。
湯川は、懸命に身体を捩り四方を見回す。
だが、これといって状況を打破するための糸口は見つからない。壊れた機械や、金属片がゴロゴロするばかりだ。
しかもこの体制では、どう足掻いても後方や足元は確認出来なかった。
湯川は、冷静さを欠いた自己を叱咤した。
"内海君の安否が知りたい…"