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□後ろの正面
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「最近内海に変な様子は無いか?」

「なんだいきなり。」

とあるビル内にあるバーに二人はいた。間接照明が薄暗い店内を照らしている。

平日だからか、客はまばらで彼等を除けば数組しか居らず、店の隅に置かれた自動ピアノが聞きなれないバラードを奏でていた。


「これを見ろ。」
そう言うと、草薙は湯川にA4サイズの封筒を手渡した。

大事な用事があるからと急に呼び出された湯川の機嫌は悪いらしく、うんざりした顔でそれを受け取ると中を見る。


「…お前、これは何の真似だ。」
中には数枚の写真と2枚のディスクがあった。

「オレのじゃねぇよ。」
苦笑しながら草薙が言う。
写真には、薫が写っていた。それも、どうやら盗撮の様だ。スーツ姿や私服の物…どれも別々の日に撮られたらしく、装いが異なっている。
「数日前に麻薬所持で引っ張った男が持っていた物のコピーだ。男はコレをネットで知り合った別の男から貰ったらしい。」

「貰った?」

嫌な世の中だ、と草薙はグラスの酒を煽った。


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