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□後ろの正面
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「相当内海に入れ込んでるらしいぜ。」

「写真の出所は?」

「サイトは突き止めたが、管理者は分からない。海外経由でアクセスしてるとかで中々尻尾を掴めないんだとさ。」

写真を覗き込んだ草薙は、真面目な顔でお手上げのポーズをとった。

「内海君には言ったのか。」


「注意だけ、な。盗撮やらの話はしてない。女の一人暮らしは危ないってのを理由に盗聴器の捜索をしたくらいだ。」
草薙も悩んでいるらしく、湯川の問いに顔をしかめた。

「…こっちのディスクは?」

「アイコラ画像と音声だ。音声の方は携帯電話の電波を傍受した物の様だ。一部にオレやお前の声も入っている。」
草薙がMDウォークマンを取り出すとイヤホンを湯川に渡した。
湯川はソレを受け取ると、耳に当てた。聞き覚えのあるやり取りがイヤホンから流れる。

『食事はしたのか?』

『まだです。先生も今終わりですか?…これから会えますか?』

それは、数ヵ月前から2人で食事をする様になった二人の会話だった。


得体の知れない男がこれを聴く事で薫への思いを一層募らせていたのだと思うと、湯川の怒りはピークに達する。



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