きまぐれ小話5

□トリック・オア・トリート!
1ページ/1ページ

 
 
「なぁなぁ侑士、トリック・オア・トリート!」
 
「あー…はいはい」
 
「何だよ、ノリ悪ぃな」
 
「今日は何べんも言われとるわ。もう耳にタコが出来そーやわ」
 
「へ〜…。んじゃ、菓子」
 
「はいはい、ほらビスケット」
 
「用意いいな〜」
 
「岳人は菓子用意せんでええんか?」
 
「俺?俺は聞く専門。聞かれても貰った菓子あげればいいし」
 
「せこい事しよるな…」
 
「……ん!このビスケットうまい!」
 
「とっとかへんのか?誰かに聞かれるかもしれへんで?」
 
「侑士からもらったんだぜ?イタズラされてもやらねーよ」
 
「岳人…」
 
「な〜んてな!何呆けてんだよっ!今ちょうど腹減ってたんだよっ」
 
「あ?……あぁ、そやろなぁ!」
 
「じゃっ、俺ちょっとジローから辞書借りてくるわ」
 
「また忘れたんか……あと5分で授業始まるで。さっさと行ってきーや」
 
「おうっ」
 
 
 
 
「あー………ちゃんと誤魔化せたかなぁ…?」
 
「ん?岳人どしたの?」
 
「いやっ、何でも!?」
 
「そ?はい、辞書」
 
「サンキュな、ジロー」
 
「俺午後に使うから終わったら持ってきてなー」
 
「わかったっ」
 
 
 
 
「お、ジローおったか」
 
「あぁ、ちゃんと英語の辞書を………って、これ国語辞典じゃねーか!!」
 
「ハハハッ」
 
「笑ってんじゃねーよ侑士っ」
 
「お互い抜けてんなぁ」
 
「っ〜〜もう1回ジローんトコ行って来るっ!」
 
 
「あ〜もう……むっちゃ可愛ぇわ」
 
 
 
 
 
 
―――――――――――――――
ここはほのぼのが大好きなんです。
お互いがお互いの気持ちを知らないもどかしい感じで。
2010.05.12移動

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ