学園アリス
□第11回 誘拐A
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綺!!
綺先輩!!
嘘だ!!
誰か……助けて!!
「先輩……」
「先輩……」
「綺先輩!!」
バッ
『ハァ…ハァ…ハァ…』
綺が飛び起きるとレオは心配したように背中を擦る
この感触を知っている?
「綺先輩…大丈夫ですか?」
『貴方は……!!
日向君は…!日向君はどうしたんですか!!』
「あそこにいますよ。ちゃんと。
それよりも、俺の質問に答えてくれます?
どうして貴方が学園の…しかも子供になっているんですか」
レオの質問の意味が分からない。
『何を…言っているの…?』
「はっ?」
『私は…貴方達の言う閑雅綺ではありせん…
私は少し前に学園に来たばかりで……』
きっとレオ<カレ>が勘違いしているのだと判断し、そのまま口にすれば、レオは目を丸くさせてから眉を潜めた
(冗談…を言ってるわけじゃないみたいだな…
じゃあ本当に別人なのか?こんなに似ているのに?
違う、この人は俺の知る閑雅綺だ……
学園が……アイツ等のせいに決まってる……)
「先輩…―――」
『わっ…私は先輩なんかではありません。貴方のことも、何も知りません。』
「―――ッ」
怖い…―――
怖い…―――
この恐れはなに?何に恐れているの?
目の前にいるこの男を恐れているの?
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