学園アリス
□第11回 誘拐A
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「………」
レオは悲しそうな瞳で綺を見つめ、綺はそんなレオから目を逸らした
「分かりました…
お前と俺の言っている人が別人なんだな…」
(今の先輩<カノジョ>には、何を言っても届かない……
だからせめて……)
「だが、これだけは忘れるな…
あの学園に正義はない…
そして貴方には必ず忘れた記憶があることを……」
真剣なレオの瞳から目を逸らす事が出来なくなり、ただ呆然とレオを見つめる
『………き…おく…?』
まるで自分が第三者であるかのように感じるこの感覚は何…?
怖い…。この男が怖い。
自分を壊すこの男が怖い。
やめて…―――
やめて…―――
『やめて!!私の中に入ってこないで!』
本能の命じるままに綺が叫び、そして気を失う
「先輩!!先輩!!」
遠くなる意識の中からレオの声が響く。
どうして、どうしてこの人は私の事を“先輩”なんて言うの?
「綺!!綺!!」
『ゆ…か……?』
違う……
『みか…ん…?』
「目ェ覚めたん!?」
『ここは…!!!』
そうだ、私達はレオに!!
あれは…夢…?
それとも……現実…?
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