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□白百合のセレナード
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白百合のセレナード


美しい聖夜
一人の乙女が死んだ

白い花嫁衣装を着て
墓場の森で
舞い踊る彼女の姿は
まるで白い百合の様に
気高く、
何にも囚われる事無く
まわり続ける。

天高く浮かぶ
真っ白な満月を掌で仰ぎ
偉大な聖夜の空に
両手を広げる。

しっとりとした夜の空気
星の瞬き
今は全て彼女のもの。

今だけ、
今日この時だけ、
彼女のその白く美しい姿が
真っ黒い箱に入るまで。


終わりの夜を踊らせて……

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