テニスの王子様
□続・素顔が見たい
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雅「ほれ、なまえの探してたクロぜよ」
『……名前』
なまえはクロを受け取りながら呟いた
それに反応した仁王は少し首を傾けて言った
雅「違ったかの?」
『そ…じゃなくて……なんで知ってるの??』
雅「クラスメートだから当たり前ナリ」
『そっ…か』
少しぎこちなく喋るなまえ
私の名前なんて誰も知らないと思ってた
誰にも言ってないし、いつも委員長で通ってたから…
クラスメートだから当たり前
当たり前、それはなまえにとって嬉しい言葉だった
『ありが…と(微笑)』
雅「……っ」
なまえの精一杯の笑顔
いつも無表情だからかその笑顔が仁王には可愛く見えた
否、仁王にとってなまえは可愛いのだ
雅「〜〜〜っ」
仁王は思った
―とんだ天然詐欺師じゃき―
『クロ寒くない?』
その質問に答えるように白猫はみゃあと鳴いた
そう、白猫
仁王が思っていた疑問
なぜ白猫なのに[クロ]なのか
雅「白猫ぜよ?」
『えっ?』
雅「なんでクロなのか教えてくれんかのう」
『…………』
なまえは少し考える素振りをした
それから少し小さな声で言う
『誰にも…言わない?』
雅「誰にも言わない、約束ナリ」
『じゃあ…にっ仁王に…だけ』
雅「…………」
―仁王にだけ―
仁王が嬉しくなったのは言うまでもない
…