BLEACH

□そばにいるよ
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とある空座第一高等学校の昼休み


屋上にはオレンジの頭をした男子高校生が一人グラウンドを見ていた

どこを見ているのかわからない

力が抜けたようにボーッとしている


その男子高校生は名を黒崎一護という



そんな一護の背後から誰かが手を伸ばす


その手は



『いーちご』

一「わっ……なまえ、髪の毛触んなって」

『いいじゃん、一護の髪って結構好きなんだよねー』

一「お前なぁ……」



真っすぐとオレンジ色の頭にいった


一護が嫌な顔をしているにも関わらずわしゃわしゃと撫で続ける

撫でている本人、なまえは満面の笑み



一「で、なんの用だよ」



諦めたのか一護は話を変える

それでもなまえは撫で続けたまま



『頭撫でにきたっ』

一「……は?」

『え?それ以外になんかある?』

一「……はぁ」



聞いた俺が馬鹿だった、と呟き深いため息をつく

当然撫でられたまま



『最近お疲れだね』

一「……っ」

『だから優しいなまえちゃんは頭撫でてあげる』



確かに最近一護は虚退治が忙しくなっており

肉体的にも精神的にもかなり疲れていた

だが、死神業をしていることをなまえには言っていない


しかも疲れている面なんて一時も見せていない



一「(いつもそうだ……)」



自分が疲れているとき、落ち込んでいるとき

誰にも言わないし、気づかれないはずなのに


なまえだけは気づいて自分のそばに居てくれる



『……でね、たつきがさ』

一「……なまえ」

『っな、なに?』



なまえの話を遮り、自分の腕の中に引き寄せる

縋るようにぎゅっと強く



一「……ありがとう」

『……どういたしまして』





5時間目をサボるまで後――




END
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