今ここから…
□小さな亀裂
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虚が一護に何か言っているが、
今の智佳は固まったまま動かない。
「(だ・・・れ?)」
頭に入ってきた人物。
それは太陽のような笑顔をしていた。
だが、顔がはっきりとしない……
[俺のために死ぬべきだ!]
虚がさっきよりも大きい声で言う。
そのおかげで智佳の意識が戻る。
顔を上げると……
『…織姫…?』
織姫が虚に抱きつくような態勢で、
肩と胸のあたりを虚に噛まれている。
[……織……姫……?]
虚も何が起こったのかわからないという顔をしている。
だが、織姫は手を放すどころか力を少し強める。
「……ごめんね……お兄ちゃん……」
血を流しながらも話し始めた。
「あたし……
お兄ちゃんに聞いて欲しかったの……」
皆は黙って話を聞く。
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