Baby Birds-小さな鳥-

□7試合目
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円「あの二人何やる気なのかしら」

『分かりませんね』



そういえば昨日の練習中にこそこそと二人で話してたような……

あの二人だけでも出来る"秘策"か



『あぁ、やっぱり威嚇してる……』

円「威嚇?」

『ヤス達のことです

 ボール見ろって言ったのに……』

円「あははっ……(汗」



もう始まるのに……


そう思っているとボールが上へと舞い上がった

重力にのって落ちてくる前に百兄とチバさんが飛ぶ


勝ち取ったのは――



百兄だ





『よっしゃ!!』



あの2mもあるチバさんとのジャンプボール

いくら跳躍力がある百兄だと知ってても少し不安があった


でも今ので確信した

百兄のジャンプは武器になる



「なんだあのチビいきなり試合投げてんぞ!?」

『え?』



気づけばボールは飛んでいた

それを投げたのは間違いなく空だ


でもスリーポイントなんてもんじゃない

だって――



バシャ



空「小さいからってナメてかかると痛い目にあいますよ!?」


『ハーフラインから……』

円「空くん……」



これが"秘策"か

確かにこれは効いた


始めの流れはつかめた



円「これでチームの"波"が良くなったわ」

『いくら丸高でも動揺していつものプレーができなくなるでしょうからね』



ハーフラインからなんてまずする人なんていない

しかも小さい空にそれをすんなりとされた



円「スゴイわ、二人とも」

『あ、でも……』


空「は、ははは入っちゃった……」

百「……俺もまさかジャンプボール勝てると思わなかったな」


『そこまで深く考えてないと思います』

円「もしかして"秘策"ってアレだけ?」

『……でしょうね』



全体的な不安は消されない



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