短編小説 白

□初恋ーその後
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「はい、みなさんおはようございます」

俺は、高校生になったらバイトがしてみたかった。
部活もやりたかったからこの夏の期間限定のプールバイトはちょうどよかった。
ちょっとウザい雇い主が嫌いだけど。

「じゃ、君。この子とドリンク販売をお昼までね」
「−−−−」

そう言われて隣に立ったのは、あの子だった。
なんだ。中学ので引っ越したと思っていた。
その、出会えた嬉しさと安堵が一緒に込みあげてきて懐かしさまで感じている俺に自分自身、驚いた。

「よろしく」

そう言ってその子は軽く頭を下げた。

「あ、うん」

俺は、本当にダメなやつだ。
でもそれはその子も悪いと思う。
その子は、俺の事なんか忘れている感じのよそよそしい声で言ったのだから。
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